相続放棄とは?知っておきたい制度と家族それぞれの選択

相続放棄とは?知っておきたい制度と家族それぞれの選択
目次

はじめに

相続というと、

「財産を受け継ぐこと」

というイメージを持つ方が多いかもしれません。

しかし、相続の対象になるのは、預貯金や不動産だけではありません。

借入やローンなどの負債も相続の対象になります。

そのため、状況によっては**「相続放棄」**という制度を利用した方がよい場合があります。

一方で、制度があるからといって、すべての方が同じ選択をするわけではありません。

今回は、あるお話を交えながら、相続放棄についてご紹介します。


相続放棄とは

相続放棄とは、相続人としての権利や義務を受け継がないという手続きです。

借金など負債が多い場合には、ご家族を守るための大切な制度です。

一般的には、相続が始まったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きを行います。

一度手続きをすると、原則として撤回することはできません。

そのため、迷ったときには早めに専門家へ相談することが大切です。


以前聞いた話です

以前、こんなお話を聞いたことがあります。

お父様が亡くなられた時、

娘さんはまだ20代でした。

ご両親は離婚されており、お父様には借金が残っていました。

相続人となる娘さんだけでなく、

お父様のお父様(祖父)、

そしてお父様の弟さん(叔父)にも相続放棄の手続きが必要になる可能性がありました。

そこで私は、行政書士の先生をご紹介し、手続きについてご案内しました。


数年後の再会

数年後、

偶然その娘さんと再会する機会がありました。

私は、

「相続放棄の手続きは大丈夫だった?」

と尋ねました。

すると娘さんは、少しも迷うことなく、

「お父さんの作った借金は、私が責任をもって全部返しました。」

そう話してくださいました。

病院での治療費。

お葬式の費用。

そして、お父様が残された借金。

まだ若い会社員だった彼女にとって、決して小さな負担ではなかったはずです。

私は、その言葉を聞いた瞬間、

正直、自分の頭では理解できませんでした。

相続放棄という制度があることを知っていたのに、なぜそんな大変な道を選んだのだろう。

そう思ったのです。

しかし、その娘さんは、

すがすがしいほど潔い表情で話してくれました。

その表情を見ているうちに、

もしかすると、

娘さんなりのやり方で、お父様の名誉を守りたかったのかもしれない。

そんなことを思いました。

もちろん、本当の理由はご本人にしか分かりません。

それでも、その選択に後悔は感じられず、とても穏やかな表情だったことが今でも印象に残っています。


正解は一つではありません

相続放棄は、借金などの負担から家族を守るための大切な制度です。

一方で、

制度を利用する方もいれば、

利用しないという選択をされる方もいます。

どちらが正しいとは言えません。

それぞれのご家族に、それぞれの事情や思いがあります。

大切なのは、

制度を知ったうえで、

自分や家族にとって納得できる選択をすることではないでしょうか。


財産整理も大切な終活です

相続放棄をするかどうかを考えるとき、

まず必要になるのは、

故人にどのような財産や借入があるのかを把握することです。

預貯金や不動産だけでなく、

借入やローンについても、元気なうちに整理しておくことは、ご家族が落ち着いて判断するための助けになります。

財産整理シートもぜひご活用ください。

▶ エンディングノートに書いておきたい財産整理の項目


まとめ

相続放棄は、

借金などの負担から相続人を守るための大切な制度です。

しかし、制度があるからといって、すべての方が同じ選択をするわけではありません。

家族への思い。

故人への気持ち。

それぞれの事情があります。

だからこそ、

制度について知り、

必要な情報を整理したうえで、

自分たちらしい選択をすることが大切なのだと思います。

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この記事を書いた人

広島市で葬儀と散骨のお手伝いをしています。
日々の現場で実際にあったことや、ご家族の不安や疑問をもとに、終活や葬儀後の手続きについて発信しています。
スタッフブログでは、日常の出来事や感じたことも綴っています。
終活セミナー講師。(毎月開催)

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