延命治療とは?家族が迷わないために知っておきたいこと

延命治療とは?家族が迷わないために知っておきたいこと
目次

はじめに

「延命治療」という言葉は聞いたことがあっても、

「実際にはどのような治療なの?」

「自分や家族には関係あるの?」

と思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、病院で突然、

「延命治療について、ご本人の希望はありますか。」

と尋ねられることがあります。

その時、ご本人が意思を伝えられない状態であれば、ご家族が大きな決断を迫られることになります。

この記事では、終活の視点から「延命治療とは何か」、そして元気なうちに考えておくことの大切さについてご紹介します。


延命治療とは

延命治療とは、病気そのものを治すことを目的とした治療ではなく、命を維持するために行われる医療を指します。

病状によって内容は異なりますが、代表的なものには、

  • 心肺蘇生(心臓マッサージなど)
  • 人工呼吸器
  • 胃ろうなどによる人工栄養
  • 点滴などによる栄養や水分の補給

などがあります。

どこまでが延命治療にあたるかは、病状や治療の目的によって異なるため、一律には言えません。

そのため、医師から説明を受けた際は、「どのような治療なのか」「どのような状態を想定しているのか」を確認することが大切です。


ご家族が突然、決断を迫られることがあります

以前、このようなお話を聞いたことがあります。

認知症が進み、ご自身の意思を伝えることが難しくなった女性がいらっしゃいました。

その後、食事を口から摂ることが難しくなり、医師から胃ろうについて説明を受けます。

胃ろうとは、お腹に小さな穴を開け、そこから胃へ直接栄養を送る方法です。

口から食事を摂ることが難しくなった場合でも、必要な栄養や水分を補給することができる医療です。

その説明を受けたあと、医師からご家族へ、

「胃ろうを行いますか。」

それとも、

「自然な経過を見守りますか。」

という選択肢が示されました。

息子さんは、

「お母ちゃんには死んでほしくない。」

その思いから、胃ろうをお願いされたそうです。

その後、お母様は約10年間、寝たきりの状態で過ごされました。

息子さんは仕事の合間を縫って毎週病院へ通い続けました。

長い年月の中には、精神的な負担も、経済的な負担もあったそうです。

それでも最後に、

「後悔はありません。」

そう話されたそうです。

私はこのお話を聞いて、

「胃ろうを選んだから良かった。」

とも、

「選ばなければ良かった。」

とも決められないと思いました。

私が強く感じたのは、

ご本人の意思が分からないまま、ご家族が人生を左右するような決断をしなければならなかったという現実です。


延命治療は「始めるかどうか」だけではありません

延命治療について考えるとき、

「受ける・受けない」

だけをイメージする方が多いかもしれません。

しかし実際には、

一度始めた人工呼吸器や人工栄養などを途中で中止することは、医療現場でも慎重な判断が必要になります。

そのため、

ご本人の意思が分からないまま治療が始まると、

ご家族は

「このまま続けてよいのだろうか。」

という難しい判断に向き合うことがあります。

だからこそ、

元気なうちに、

「今はこう考えている。」

という気持ちを話しておくことには、大きな意味があります。


延命治療に正解はありません

一方で、別の方からは、

「助かる方法があるなら、できる限りの治療を受けたい。」

「どんな状態になっても、生きられる可能性があるなら延命してほしい。」

と、ご本人が元気な頃からご家族へ話していたというお話も聞いたことがあります。

その言葉があったことで、ご家族は迷いながらも、

「これは本人が望んでいたこと。」

と受け止め、治療方針を決めることができたそうです。

この二つのお話から分かるように、

延命治療を希望することも、

希望しないことも、

どちらが正しいということではありません。

大切なのは、

ご本人がどう考えているのかをご家族が知っていることです。


今の気持ちをご家族へ伝えておきませんか

延命治療については、すぐに答えを出す必要はありません。

「まだ決めていない。」

という気持ちでも構いません。

「家族と相談して決めてほしい。」

という考え方も、一つの意思表示です。

私は終活セミナーでも、

「延命治療を受けるか、受けないかを今すぐ決めましょう。」

とはお話ししていません。

ただ、

「もしもの時、ご家族が迷わないように、今の気持ちだけでも伝えておきませんか。」

とお伝えしています。


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まとめ

延命治療とは、「受ける」「受けない」を決めることだけではありません。

もしものとき、ご本人が意思を伝えられない状況になった場合、ご家族がどのように考え、判断するかという問題でもあります。

正解はありません。

だからこそ、元気なうちにご自身の気持ちをご家族へ伝えておくことが、将来の安心につながるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

広島市で葬儀と散骨のお手伝いをしています。
日々の現場で実際にあったことや、ご家族の不安や疑問をもとに、終活や葬儀後の手続きについて発信しています。
スタッフブログでは、日常の出来事や感じたことも綴っています。
終活セミナー講師。(毎月開催)

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