広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第3回)

「誰が決める?どう残す?費用はどうする?」——葬儀と支払いの現実的な考え方
「身寄りがない場合、死亡届はどうなるのか」
「最終的には行政が火葬を行う場合がある」
——ここまで読むと、次に多くの方が感じるのは、こんな疑問ではないでしょうか。
- 誰が、どの判断で葬儀社に連絡するの?
- 自分の希望は、どうやって残せばいいの?
- 費用は、いつ・誰が・どのタイミングで支払うの?
今回は、**お一人様が終活を考えるうえで避けて通れない「決定・伝達・支払い」**について、現実的な整理をしていきます。
■ 葬儀は「自動的」に行われるものではありません
まず知っておきたいのは、
葬儀や火葬は、誰かの判断と依頼があって初めて動き出すという点です。
たとえ本人が
「直葬でいい」「簡単でいい」
と考えていても、
- 誰が葬儀社に連絡するのか
- 誰が内容を決めるのか
- 誰が支払いを担保するのか
これが不明確なままでは、民間の葬儀社は簡単には引き受けられません。
実際、支払いのあてがない火葬依頼は、どの葬儀社でも慎重になります。
■ 「事前に予約・支払いしておけば安心?」という疑問
「それなら、元気なうちに葬儀社を予約して、費用も払っておけばいいのでは?」
そう考える方もいらっしゃいます。
確かに、事前相談や見積もりはとても大切です。
ただし、ここにも落とし穴があります。
・亡くなったことを誰が伝えるのか
事前に契約していても、
亡くなった事実をその葬儀社に伝える人がいなければ、手続きは始まりません。
・そもそも事前予約を受けられるか
葬儀社によっては、
- 成年後見人がいる
- 任意後見契約を結んでいる
- 明確な第三者の関与がある
といった条件がなければ、
お一人様の「事前予約・事前支払い」を受けないケースもあります。
(※たとえば弊社でも、後見人等の第三者が関与する場合に限って事前の受付を行っています)
■ 「互助会に入れば安心?」も万能ではありません
互助会(冠婚葬祭互助会)に加入する、という選択肢もあります。
積立という形で準備できる点では、安心材料の一つです。
ただし、互助会も
- 亡くなったことを誰が連絡するのか
- 実際の手続きを誰が進めるのか
という点は同じです。
お金だけ用意しても、「動いてくれる人」がいなければ完結しない。
これがお一人様終活の、いちばん誤解されやすいポイントです。
■ 本当に大切なのは「希望」+「動ける人」のセット
では、どうすればいいのでしょうか。
ポイントはシンプルで、
①希望を残すことと
②それを実行できる立場の人を用意すること
この2つをセットで考えることです。
たとえば、
- 任意後見契約を結ぶ
- 成年後見人・保佐人・補助人が関与する体制を整える
- 専門職(司法書士・弁護士・行政書士等)と連携する
- 葬儀社・供養先と「誰が連絡するか」を明確にしておく
こうした準備があることで、
「自分の希望が、現実として実行される」可能性がぐっと高まります。
■ 広島市の場合に知っておきたい現実
広島市では、身寄りのない方であっても、
ご遺体の状態を考慮し、火葬は比較的早く進められる傾向があります。
最終的に、
墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第9条に基づき
行政が火葬を行うケースもありますが、
- 実際の火葬手続きは
- 行政から委託された民間事業者が担う
という形が一般的です。
つまり、ここでも
「誰が」「どの立場で」関与するかが重要になります。
■ 次回予告:希望を「形」にする具体的な方法
第3回では、
「誰が決めるのか」「支払いはどうなるのか」という
不安の正体を整理しました。
次回はさらに一歩進んで、
- 希望はどんな書類・形で残すのが現実的か
- エンディングノートの限界と使いどころ
- 後見制度・契約の違いと考え方
といった、「残し方」の具体論をお話ししていきます。
「迷惑をかけたくない」だけで終わらせない終活を、
一緒に考えていきましょう。

