広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第2回)

亡くなったあと、広島市では誰が何をするのか
― お一人様が「知らないまま困らない」ために知っておきたいこと
お一人様の終活で、
多くの方が口にされる不安があります。
「自分が亡くなったあと、
誰が手続きをして、どうやって火葬まで進むのだろうか?」
身寄りがない、
あるいは家族に頼りにくい状況にあると、
この疑問はとても現実的なものになります。
ですが、広島市では
亡くなったあとに何もかもが止まってしまう
ということは、実際にはほとんどありません。
まずは、
広島市での現実的な流れを、
ひとつずつ整理してみましょう。
亡くなった場所によって、最初の対応は変わる
人が亡くなると、
最初に対応が始まるのは「亡くなった場所」です。
病院・施設で亡くなった場合
- 医師による死亡確認
- 死亡診断書の作成
- ご遺体の搬送先を決める必要がある
お一人様の場合、
この時点で
「誰が対応するのか」がはっきりしていないと、
話が進みにくくなることがあります。
自宅で亡くなった場合
- かかりつけ医や救急への連絡
- 状況によっては警察の立ち会い
- 死因確認後、ご遺体の搬送
一人暮らしの場合、
発見までに時間がかかることもあり、
その後の対応が複雑になるケースもあります。
広島市では、死亡届の提出はどうなる?
ここで、
まず安心していただきたい点があります。
広島市では、死亡届の提出そのものは、
多くの場合、葬儀社が代行して行います。
病院や施設で亡くなった場合も、
葬儀社が関わることで、
- 死亡届の提出
- 火葬許可に関する手続き
は、実務上スムーズに進みます。
「身寄りがないと、
役所の手続きで止まってしまうのでは…」
と心配される方もいますが、
手続きが回らないケースは、実際には多くありません。
問題になりやすいのは「死亡届の届出人」
ただし、
ひとつ知っておいていただきたい重要な点があります。
死亡届には、
「届出人」 を記載する必要があります。
広島市で、届出人になることができるのは、例えば
- 親族
- 同居している方
- 家主・地主
- 家屋管理人・土地管理人
- 成年後見人
- 保佐人・補助人
などです。
一方で、
ご近所の友人や知人は、
どれだけ親しくても
原則として届出人になることはできません。
「全部その人に任せてあるから大丈夫」
と思っていても、
制度上は対応できないというケースが起こり得ます。
では、誰が「葬儀社に依頼する」と判断するのか
ここまで読むと、
こんな疑問が浮かぶかもしれません。
「死亡届は葬儀社が出してくれるとして、
そもそも、誰の判断で葬儀社に依頼が行くの?」
葬儀社は、
自動的に関わる存在ではありません。
実際には、
- 親族
- 施設や病院の関係者
- 成年後見人など、本人に関わる立場の人
が、
「葬儀社へ依頼する」という判断を行います。
葬儀社は、誰の依頼でも引き受けられるわけではない
ここで、
もうひとつ大切な現実があります。
葬儀社は民間企業です。
そのため、
- 支払いの見込みがまったくない
- 依頼の責任者が不明確
といった場合、
火葬の依頼を引き受けることができません。
これは冷たい対応ではなく、
制度上・業務上の限界でもあります。
本当に身寄りがない場合、最終的にどうなるのか
では、
- 親族がいない
- 後見人などの契約もない
- 葬儀社に依頼できる人もいない
このような場合は、どうなるのでしょうか。
このケースでは、
行政が関与することになります。
具体的には、
「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第9条」
に基づき、
市町村が火葬を行う仕組みがあります。
行政が直接すべてを行うわけではありません
ここも誤解されやすい点です。
行政が火葬を行うといっても、
役所の職員が
すべての実務を行うわけではありません。
実際の火葬に関する手続きや対応は、
行政から委託を受けた民間業者が担います。
これは、
誰も判断せず、
ご遺体が放置されることを防ぐための
社会的な安全網です。
また、行政は
ご遺体の状態が時間とともに変化することから、
火葬を急ぐ傾向があります。
これは冷たい判断ではなく、
衛生面・管理面を考えた
現実的な対応です。
だからこそ、「その前」にできる準備がある
ここまで読むと、
少し重たく感じるかもしれません。
ですが、
この仕組みを知ることで見えてくるのは、
- 何も準備していない場合の最終ライン
- そこに至らないための選択肢が、実はある
という事実です。
成年後見契約などを含め、
誰が判断を担うのかを事前に整理しておくことは、
「行政にすべてを委ねる」前に、
自分の意思を反映させるための準備でもあります。
次回予告
次回は、
「広島市でのお一人様の葬儀・火葬の選択肢」
について詳しくお伝えします。
直葬・家族葬・誰も呼ばないという選択が、
実際にはどのような形になるのか。
「知らずに進む場合」と
「知ったうえで選ぶ場合」の違いを、
広島市の現場目線で解説します。

