広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第6回)

亡くなったあと、その後はどうなる?——火葬・遺骨・供養の現実
ここまでの回で、
- 誰が判断するのか
- 希望はどう残すのか
- 制度・人・お金をどう組み合わせるのか
を整理してきました。
最終回では、
亡くなったあと、実際に何が起こるのか
——とくに「火葬後」「遺骨」「供養」についてお話しします。
終活の中でも、
一番考えるのがつらく、後回しにされやすい部分です。
■ 火葬が終わったあと、遺骨はどうなる?
火葬が終わると、遺骨は必ず残ります。
- 親族が引き取る
- お墓に納骨する
- 永代供養にする
一般的にはこうした流れを思い浮かべる方が多いでしょう。
では、お一人様で
引き取り手がいない場合はどうなるのでしょうか。
■ 遺骨は「自動的に処分される」わけではない
よくある誤解ですが、
遺骨が勝手に処分されることはありません。
一時的には、
- 火葬場
- 行政
- 委託された事業者
などで保管されます。
ただし、
本人の希望がわからない/判断する人がいない場合、
選択肢は限られていきます。
■ 納骨しない、という選択もある
最近は、
- お墓を持たない
- 納骨しない
- 合祀や合同供養でいい
という考え方も増えています。
これは決して珍しいことでも、
間違った選択でもありません。
ただし重要なのは、
- その希望を誰が知っているか
- どこに残しているか
- 実行できる体制があるか
です。
ここが整っていないと、
「そうしたかったはず」という推測で終わってしまいます。
■ 行政が関わる場合の供養の現実(広島市)
広島市では、
身寄りのない方について、最終的に行政が関与するケースもあります。
その場合、
- 最低限の火葬
- 行政判断による供養
が行われます。
ただし、
- 個別の希望
- 宗教観
- 供養の形
まですべて反映されるわけではありません。
これは冷たい対応ではなく、
公平性と現実性を重視した対応です。
■ 「こだわらない」ことも、一つの意思
ここで大切にしてほしいのは、
細かく決めなければならない
きちんと書いておかなければならない
と自分を追い込まないことです。
- 火葬だけでいい
- 供養の形は問わない
- 行政対応で構わない
これも、立派な意思表示です。
ただし、その場合も、
- そう考えていること
- 迷っていないこと
が伝わる形になっていると、
関わる人たちは判断しやすくなります。
■ 葬儀社としてお伝えしたいこと
私たち葬儀社は、
- ご家族がいる方
- お一人様
- 判断する人がいないケース
さまざまな現場に立ち会っています。
その中で感じるのは、
準備が完璧な方より、「考えていた方」のほうが、結果的に穏やかだということです。
すべてを決めていなくても、
- 自分なりに考えていた
- 誰かに相談しようとしていた
それだけで、現場は大きく違ってきます。
■ お一人様の終活に「正解」はない
このシリーズを通してお伝えしたかったのは、
- こうしなければいけない
- これが唯一の正解
という話ではありません。
- 自分は何を大切にしたいか
- どこは人に委ねてもいいか
- どこは割り切っていいか
それを自分の言葉で整理することが、終活です。
■ 迷ったら、誰かに相談していい
お一人様だからこそ、
一人で抱え込まなくていい。
- 区役所の「地域支えあい課」
- 専門職
- 葬儀社
どこに相談しても構いません。
相談することで、
「何もしない不安」より
「少し考えられた安心」に変わります。
■ このシリーズをここまで読んでくださった方へ
終活は、
死の準備ではなく、
自分の人生をどう締めくくりたいかを考える時間です。
お一人様であっても、
不安があっても、
完璧でなくてもいい。
「考えたこと」そのものが、
すでに一歩前に進んでいます。

