亡くなった方のスマホはどうすればいい?葬儀後に必ず確認したい手続きとロック解除の注意点【iPhone・Android別】

はじめに
ご家族が亡くなられた後、「スマートフォンをどう扱えばいいのか分からない」というご相談は年々増えています。
スマートフォンは連絡手段であると同時に、**思い出や重要な情報が詰まった“デジタル遺品”**でもあります。
一方で、扱い方を誤ると
- 大切な写真が消えてしまう
- 解約できず料金が発生し続ける
- 相続手続きが進まない
といったトラブルにつながることもあります。
本記事では、葬儀後に特にご質問の多いスマホのロック解除と正しい対処方法について、分かりやすく解説します。
亡くなった方のスマホは「すぐに処分」しないでください
スマートフォンは、法律上相続財産の一部と考えられています。
中には以下のような重要な情報が含まれている場合があります。
- 写真・動画・連絡先
- 銀行・証券・電子マネー
- メールやSNS、LINE
- 各種サブスクリプション契約
そのため、初期化や解約を急がず、まずは中身を確認できるかを検討することが大切です。
スマホのロック解除は慎重に|機種別に大きな違いがあります
暗証番号が分からない場合、何度も試すのは非常に危険です。
iPhoneとAndroidでは、ロック解除失敗時の制限やリスクが異なります。
iPhoneの場合(Apple iOS)
iPhoneはセキュリティが非常に強く、一定回数以上失敗すると事実上使用できなくなります。
ロック解除失敗時の制限(一般例)
- 5回失敗:警告表示
- 6回失敗:1分間使用不可
- 7回失敗:5分間使用不可
- 8回失敗:15分間使用不可
- 9回失敗:60分間使用不可
- 10回失敗:
- 「iPhoneを消去」が有効
→ 端末内データが自動消去 - 無効でも
→ 完全ロック状態(初期化以外不可)
- 「iPhoneを消去」が有効
※「iPhoneを消去」は初期設定でONになっていることが多く、
知らないうちに全データが消えてしまうケースが少なくありません。
重要な注意点
- Appleや携帯会社でもロック解除はできません
- Apple IDとパスワードが分からない場合、初期化するとデータは戻りません
- LINEや写真の復旧は原則不可
Androidの場合(機種・メーカーにより差あり)
Androidは機種ごとに仕様が異なりますが、失敗回数が増えるほど制限が強くなる点は共通しています。
一般的な制限の例
- 5回前後失敗:30秒~1分の待機
- 10回以上失敗:数分~30分待機
- 一定回数以上:
- Googleアカウント入力を要求
- もしくは初期化(工場出荷状態)を要求
注意点
- Googleアカウント情報が不明な場合
→ 初期化しても使えない「FRPロック」がかかることがあります - 再起動後は指紋・顔認証が使えなくなる機種が多い
携帯電話会社に相談すればロック解除できる?
よくある誤解ですが、携帯電話会社ではロック解除はできません。
携帯会社でできることは主に以下の内容です。
- 回線の一時停止・解約
- 契約内容や料金状況の確認
- 端末やデータの取り扱いに関する一般的な案内
暗証番号の解除やデータの取り出しは、本人以外には対応できないのが原則です。
そのため、「ショップに行けば何とかなる」と考えて何度も暗証番号を試すのは非常に危険です。
暗証番号が分からない場合にやってはいけないこと
- 思いつく番号を次々に試す
- 複数の家族が別々に解除を試みる
- ロック回数を意識せず操作する
これらはすべてデータ消失のリスクを高めます。
安全な対応方法
暗証番号が分からない場合は、次の対応がおすすめです。
- それ以上操作せず電源を切る
- 契約している携帯会社を確認
- 相続人として正式に相談
- 必要に応じてデータ復旧専門業者を検討

Q&A(亡くなった方のスマホについて)
- 亡くなった人のスマホは、すぐに解約や処分をしても大丈夫ですか?
-
いいえ、すぐに解約や処分するのはおすすめできません。
スマートフォンの中には、写真や連絡先、銀行・サブスクリプションなど重要な情報が含まれていることがあります。確認前に初期化や解約をしてしまうと、取り戻せない場合があります。 - 亡くなった方のスマホは相続財産になりますか?
-
スマホ本体は、原則として相続財産として扱われます。
一方、スマホ内のデータやアカウントについては明確な法律規定はありませんが、実務上は「デジタル遺品」として相続や解約手続きに関わる重要な情報と考えられています。 - 暗証番号が分からない場合、何度か試しても大丈夫ですか?
-
何度も試すのは非常に危険です。
iPhone・Androidともに、一定回数以上失敗すると長時間ロックされたり、最悪の場合データが消去されたりする可能性があります。暗証番号が分からない場合は、むやみに操作しないことが大切です。 - iPhoneでロック解除に何回失敗するとどうなりますか?
-
10回失敗すると、データが消去される、または完全に使用できなくなります。
設定によっては10回目で自動的にデータが消去される場合があります。Appleや携帯会社でもロック解除はできないため、特に注意が必要です。 - Androidの場合はどうなりますか?
-
機種によって異なりますが、失敗回数が増えるほど制限が厳しくなります。
一定回数以上失敗すると、Googleアカウントの入力や初期化を求められることがあります。アカウント情報が分からないと、初期化後も使用できない場合があります。 - 携帯電話会社に行けばロック解除してもらえますか?
-
いいえ、携帯電話会社ではロック解除はできません。
携帯会社でできるのは、回線の停止や解約、契約内容の確認などです。暗証番号の解除やデータの取り出しは、原則として本人以外には対応できません。 - ロック解除ができない場合、データを取り出す方法はありますか?
-
専門のデータ復旧業者に相談する方法があります。
費用がかかる場合もありますが、写真など思い出のデータだけを復旧したいという理由で利用される方もいます。 - スマホの扱いで迷ったときは、どうすればいいですか?
-
焦って判断せず、正しい情報を確認しながら進めることが大切です。
葬儀後は気持ちの負担も大きく、判断が難しくなりがちです。一人で抱え込まず、状況に応じて周囲や専門窓口に相談しながら整理していきましょう。
葬儀後の「分からない」は一人で悩まないでください
葬儀後は、気持ちの整理がつかない中で多くの手続きが重なります。
スマートフォンの扱いも、その一つです。
「写真だけでも残したい」
「初期化していいのか判断できない」
このようなお悩みも、決して珍しいことではありません。
スマートフォンの扱いは分かりにくい部分も多いため、正しい情報を確認しながら慎重に進めることが重要です。
まとめ
- 亡くなった方のスマホは相続財産の一部
- ロック解除は慎重に行う必要がある
- 携帯会社でもロック解除はできない
- 失敗回数が増えるとデータ消失の危険あり
- 迷ったら専門家に相談することが大切


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