広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第5回)

広島市で考える「お一人様の終活」
― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために ― 第5回
ここまで、
任意後見契約や死後事務委任契約など、
お一人様の終活で考えておきたい準備についてお話してきました。
第4回|希望を残す方法
今回は、
亡くなったあとに実際に起きる現実を、
・準備をしていた場合
・準備をしていなかった場合
という視点で見ていきたいと思います。
■ 亡くなったあとに起きる現実
人が亡くなると、
・死亡届の提出
・葬儀や火葬の手配
・住まいの整理
・契約関係の解約
・公共料金の停止
・納骨
など、多くの手続きが発生します。
これらは、
必ず誰かが行う必要があります。
■ 銀行口座は凍結されます
亡くなったことが金融機関に伝わると、
銀行口座は凍結されます。
そのため、
・葬儀費用
・当面の手続き費用
をすぐに引き出せない場合があります。
■ 知人に託す場合の注意点
信頼できる知人がいても、
・契約がないと対応できない手続きがある
・金銭を自由に動かすことは難しい
という現実があります。
そのため、
・事前に費用を預けておく
・契約で動ける体制を整える
といった準備を考える必要があります。
■ 準備をしていなかった場合
準備がない場合、
・親族
・行政
・関係機関
が状況を確認しながら、
対応を進めていくことになります。
その中で、
・葬儀の内容
・納骨方法
・遺品整理
などは、
本人の希望とは異なる形になる可能性もあります。
これは、
残された人ができる範囲で判断した結果であり、
決して「間違い」というわけではありません。
■ 準備をしていた場合
準備をしている場合は、
・連絡体制が明確
・判断する人が決まっている
・費用の準備がある
・希望が伝わっている
という点で、
手続きが比較的スムーズに進みやすくなります。
■ ただし、準備をしている場合の注意点もあります
契約には、
できること・できないことの範囲があります。
そのため、
契約内容に沿って手続きが進められます。
状況によっては、
柔軟な対応が難しい場面もあります。
また、
手続きの進め方について、
専門職とのやり取りが必要になることもあります。
人と人との関係ですので、
相性の問題がまったくないとは言えません。
ただ一方で、
体調や年齢による変化の中で、
細かなことが気にならなくなっていく場合もあります。
■ Aさんの場合
Aさんは、
・任意後見契約
・死後事務委任契約
を進め、
亡くなったあとに動く体制を整えていました。
その結果、
亡くなる際には、
関係者への連絡や手続きが
比較的スムーズに進められました。
また、
手続きが整ったことで、
「そのときのこと」を考え続ける不安から、
少しずつ解放されていきました。
手続きが整ったあと、眠れないほど悩み続けていたAさんは、
すっかりとストレスから解放され、
行きたい場所に行き、
会いたい人に会い、
食べたいものを食べ、
残された時間を大切に過ごされました。
ただ一方で、
契約に基づく確認や手続きのやり取りに、
少し疲れてしまうことがなかったとは言えません。
それでも、
「誰が動くのか分からない」
という不安がなくなったことは、
Aさんにとって大きな安心につながっていました。
■ どちらが正しい、という話ではありません
準備をしていない場合でも、
行政や周囲の人が対応していきます。
準備をしている場合は、
希望を反映しやすくなる可能性があります。
大切なのは、
「自分で選択できる」ということです。
事前相談でよくある悩みについては、
こちらの記事でも解説しています。
「そんなにお金をかけなくていい」——事前相談でよく出会う親子のすれ違い
■ 一人で抱え込む必要はありません
終活は、
一人で抱え込むものではありません。
相談しながら、
少しずつ整理していくことが大切です。
広島の葬儀の種類については、
こちらも参考になります。
広島のお葬式の種類|宗旨宗派ごとの違いと広島ならではの事情を解説
■ 次回へ
次回は最終回として、
準備を進めた先に見えてくるものについて、
Aさんの歩みを通してお話します。
続きはこちら。
第6回|火葬後どうなる?

