広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第4回)

広島市で考える「お一人様の終活」
― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために ― 第4回
第3回では、
任意後見契約という選択肢についてお話しました。
第3回|誰が決める?誰が動く?
将来、判断能力が低下した場合に備えて、
支援してくれる人を決めておく仕組みです。
Aさんも、
司法書士の先生と相談しながら、
任意後見契約を結ぶ方向で手続きを進めていました。
■ でも、ここで新しい疑問が出てきます
任意後見契約は、
亡くなった時点で終了します。
では——
亡くなったあとのことは、誰が行うのでしょうか。
■ 亡くなったあとに必要になる手続き
実際には、亡くなったあとにも多くの手続きが発生します。
・役所への各種届出
・住まいの片付け
・公共料金の解約
・遺品整理
・納骨の手続き
・各種契約の解約
こうした手続きを、
あらかじめお願いしておく契約があります。
■ 死後事務委任契約という選択
それが、死後事務委任契約です。
亡くなったあとに必要となる事務手続きを、
あらかじめ特定の人や専門職に委任しておく契約です。
■ 任意後見契約との違い
任意後見契約
→ 生前の支援
死後事務委任契約
→ 亡くなったあとの手続き
役割がはっきり分かれています。
■ Aさんが選んだ方法
Aさんは、
任意後見契約を進めていた同じ司法書士の先生に、
死後事務委任契約もお願いすることにしました。
すでに状況を理解してくれている専門職に
まとめてお願いできることは、
大きな安心材料になりました。
■ 専門職に頼む=費用は発生します
死後事務委任契約は、
専門職に依頼する場合、費用が発生します。
ただし、
・どこまでお願いするか
・どこまでを知人が担うか
によって大きく変わります。
■ 知人に頼むだけでは難しいこともあります
信頼できる知人がいても、
・契約がないと動けない
・金銭管理ができない
という現実があります。
■ エンディングノートの役割と限界
エンディングノートは、
とても大切なツールです。
・希望を書き残せる
・家族や周囲に気持ちを伝えられる
・整理のきっかけになる
一方で、注意点もあります。
エンディングノートには
法的な効力はありません。
つまり、
・手続きを代行することはできない
・契約の代わりにはならない
・金銭を動かすこともできない
エンディングノートは
「意思を残すもの」
契約は
「実際に動いてもらうためのもの」
この違いが大切です。
終活と相続の関係については、
こちらの記事でも解説しています。
おじ・おばの終活と相続 ~動いた人が損をしてしまう現実とは~
■ 広島市の取り組み
広島市では
「いきいき人生ノート」というエンディングノートが配布されています。
また、
・ノートの存在を知らせるシール
・緊急連絡先シール
なども用意されています。
救急隊員の方にもシールの存在は共有されているので、
ノートの存在に気づいてもらえる可能性が高まります。
■ 相談先として
身寄りが少ない場合は、
区役所の「地域支えあい課」に相談することで、
自分に合った方法が見つかる場合があります。
■ Aさんの変化
ここまで準備が進んだとき、
Aさんはこう話していました。
「“そのとき”のことを、
ずっと考え続けなくてよくなりました」
■ 次回へ
次回は、
・亡くなったあとに起きる現実
・銀行口座の凍結
・知人に託す場合の注意点
についてお話します。
続きはこちら。
第5回|制度とお金の現実

