広島市で考える「お一人様の終活」― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために(第2回)

広島市で考える「お一人様の終活」
前回のお話はこちら。
第1回|終活は何から始める?
― 身寄りがなくても、最期まで自分で決めるために ― 第2回
Aさんは、看護師でした。
医療の現場に長くいたこともあり、
「人が亡くなる」という現実そのものは、冷静に受け止めることができていました。
自分にも、いずれその時が来る。
そこまでは理解できていました。
でも——
「自分が亡くなったあと、何が起きるのか」
ここは、まったく別の話でした。
病院で亡くなる場合は、ある程度想像できる
看護師として働いてきたAさんは、
病院で亡くなった場合の流れは想像できていました。
診断書は、比較的早く書いてもらえる。
医療的な手続きは、きちんと進む。
ここまでは、想像がつきます。
でも、ある日ふと浮かんだ「もう一つの可能性」
もし、自宅で体調が急変して、
誰にも連絡がつかないまま亡くなったら?
そう考えた瞬間、
頭の中が一気に真っ白になったと言います。
■ 亡くなったあと、最初に必要になる手続き
人が亡くなった場合、まず必要になるのは「死亡診断書」と「死亡届」です。
死亡診断書は病院の先生が書いてくださいます。
そして死亡届を記入して役所に提出します。
多くの場合、実際の提出は葬儀社が代行します。
ただし、届出人は誰かという問題は必ず発生します。
広島市で亡くなったときの流れについては、
こちらも参考になります。
広島市で亡くなったときの流れ
■ 死亡届の届出人になれる人
一般的に届出人になれるのは、
・親族
・同居者
・成年後見人
・保佐人、補助人
・家主、地主、家屋管理人、土地管理人 など
です。
例えば、
「すべてご近所の友人に任せている」
という場合でも、
そのご友人は届出人になれない可能性があります。
■ 「葬儀社にお願いすれば大丈夫」ではない理由
葬儀社も、
誰からの依頼なのか
誰が費用を負担するのか
ここが不明確な場合、
手続きを進めることができません。
広島の葬儀の種類については、
こちらで詳しく解説しています。
広島のお葬式の種類|宗旨宗派ごとの違いと広島ならではの事情を解説
■ 身寄りがない場合、最終的にはどうなるのか
本当に身寄りがない場合、
行政が
「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第9条」
に基づいて火葬を行うことになります。
ただし、実際の火葬業務は、
行政から委託された民間業者が行います。
■ 行政が火葬を急ぐ理由
これは冷たい話ではなく、
現実的な理由があります。
ご遺体は、時間の経過とともに変化していきます。
そのため、火葬は比較的早く進められる傾向があります。
■ Aさんが一番不安だったのはここでした
Aさんが怖かったのは、
火葬そのものではありませんでした。
・自分の希望が反映されないのではないか
・誰にも知られないまま進んでしまうのではないか
・自分の人生の最後が、自分で選べないのではないか
そこでした。
■ 自分でも調べてみたけれど
Aさんは、自分でも調べました。
でも、
制度はわかる。
流れもわかる。
でも——
「自分の場合はどうなるのか」
ここだけが、どうしても見えませんでした。
■ 実は、ここで立ち止まる方はとても多いです
制度はあります。
仕組みもあります。
でも、
「自分の場合、誰が動くのか」
ここが見えないままになる方は、
とても多いのが現実です。
■ Aさんも、ここで立ち止まりました
Aさんも、すぐに答えが見つかったわけではありません。
むしろ、
「どうしよう」という思いのほうが強くなりました。
でも——
ここが、終活が動き始めるきっかけにもなりました。
事前相談の重要性については、
こちらの記事でも解説しています。
「そんなにお金をかけなくていい」——事前相談でよく出会う親子のすれ違い
■ 次回予告
では、
・身寄りが少ない場合、誰が動くのか
・どうやって準備を進めていくのか
・相談という選択肢はどう使えばいいのか
Aさんは、ここから少しずつ整理を始めました。
次回は、
実際にAさんがどう動いたのかをお話します。
続きはこちら。
第3回|誰が決める?誰が動く?

